真っ昼間ガール

ただの日記

白夜、台北暮色

先日ユーロスペースでひっそり白夜の35㎜ニュープリント版最終上映やってたからまた懲りずに行ってきた。街行く女性を見境なくストーキングするきもい主人公と、自分のことしか見えてない自己愛女。夢を見る男と、何も見ない女。ポン=ヌフを通り過ぎていく音楽と、同じものを見ているようで見てない2人、最後まで噛み合わない視線。クライマックスのマルトの迷いは、ブレッソンのお慈悲? 冒頭できもい主人公がご機嫌にでんぐり返しして鼻歌ふんふん歌って通行人にきもがられるのも、街中で女の名を録音したテープ流してドン引きされるのも、テーブルの下での男女の攻防も、一瞬一瞬すべてが割と最高。

 

おめあては白夜だったけど、ついでに台湾暮色も。これは、うっ、と引いてしまうくらいエモい。クー・ユールン初めて見たけど激シブ。わかりあえない人といるなら、ひとりでいるほうがいい。だけど、誰かとわかりあえるかもしれないと思えた瞬間は、本当に素晴らしい。人は近すぎるとその愛に気づけなくなることもあるし、まったく知らない誰かとふとした瞬間にゲラゲラ笑いあえることもある。誰かが書いていたけど、「都市とは他人の集まり」。無限のこれからを感じさせてくれて、ドキドキして、わたしたちは都会に集まる。今の台湾はあんな感じなのかな。行ってみたい。